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自作モジュラーシンセの製作進捗2024

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今年になって取り組み始めた「モジュラーシンセの自作」について、今年の進捗をご紹介します。

この記事はEMC Healthcare株式会社のAdvent Calendar 2024 – 12/19の記事です。

EMC Healthcareは「ヘルステックで社会課題を解決する」をミッションに、介護施設向け見守りシステム「OwlCare」、保育施設向け午睡チェックツール「ベビモニ」を開発しているスタートアップ企業です。

 

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憧れのモジュラーシンセ

人生で一度はやってみたいモジュラーシンセ。

「モジュラーシンセってなに?」という質問に簡単に答えると、モジュラーシンセは機能ごとにモジュールになっているシンセサイザーであり、複数のモジュールを組み合わせてシンセサイザーのシステムを組むものです。

簡単な説明より楽器屋さんのウェブサイトが参考になります。島村楽器のページを以下にリンクします。

【入門編】モジュラーシンセを始めたい方に!基本概要や必要なもの、初心者の方にお勧めのを一挙紹介!|島村楽器 名古屋パルコ店
こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です!本日は“モジュラーシンセ”について!高い自由度と、その音質、そして自身の想像もつかないサウンドを偶発的に生み出せる点等から、著名な音楽家からも注目度の高い“モジュラーシンセ”担当も4年ほど前からモジュラーシンセに手を出し、店頭でも実機を導入、コロナ前は愛

ノブがたくさんついたパネルやパッチケーブルを色々つないで音楽を奏でる姿はゾクゾクしますね。

買うと高いから、自作してみる

さて、このモジュラーシンセですが、勢いで入門セットを揃えてみようとするとその合計金額に驚いて躊躇します。ちょっとしたゲーミングPCとか買う感覚ですね。

まとめて買うと高いからと毎月のお小遣いでちょっとずつそろえる作戦をとるとするならば、まずは今月はケースを買って、来月は電源モジュールを買って…といったことになりそうです。

いつ揃うんですか。

買うことに躊躇してどうせディアゴスティーニみたいに揃えるのならば、少しずつでも自分で作ったほうが楽しそうだし製品を買うよりも安く済みそう(ただし、時間と手間は度外視)。

ということで、まずは自作してみることにしました。

この自作してみることにしたのは2023年に思いついたことで、自作に取り掛かるのは2024年の目標でもありました。

ずっと温めてきた本(積読)

シンセサイザーというと、学生時代にアナログシンセサイザーを自作する本を買ってずっと温めてきました(積読)。

達人と作る アナログシンセサイザー自作入門(岩上直樹)

学生時代は電子工作に興味はあるし時間もあるが、いかんせん部品を買う金がない、という状態でした。このためこの本は温められてきたわけです。

そのうち社会人になってからはニキシー管等の工作の方にリソースを割いていたために、結局シンセサイザーは手付かずの状態でした。

そうやってずっと温めていた本はいつの間にか改訂版が出版され、それからは改訂版も一緒に温められました。

達人と作る アナログシンセサイザー自作入門 改訂版2017(岩上直樹)

そして2024年。温まりすぎたページをめくる。

この本に従ってモジュラーシンセを作ってみることにしました。

Analog 2.0を基にユーロラックを作る

先ほどの書籍は「Analog 2.0」というシンセサイザーの設計について解説されています。

Analog 2.0
アナログシンセサイザシステムの製作ガイド
Home
Contribute to naokiiwakami/analog2.0 development by creating an account on GitHub.

本に従ってモジュラーシンセを作っていくことにしたのですが、ウェブサイトに掲載の作例の写真をご覧の通りユーロラックではありません。

モジュラーシンセを作るならユーロラックにしたい、という気持ちでAnalog 2.0を基にアレンジを加えて筐体はユーロラックとして作ることにしました。

現在の進捗 : 電源, ノイズ, ミキサー

さて、とりかかってみた現在の進捗ですがかなりゆっくりなペースで以下3機能、2モジュールです。

  • 電源
  • ノイズ
  • ミキサー

ノイズとミキサーはAnalog 2.0に従って同一モジュールになっています。ユーロラックを目指すならそれぞれモジュールをわけたほうが良い気がする、と作った後になってから思いました。

電源

回路はAnalog 2.0と同等です。

DC 15VのACアダプタを2つ入力として正負の12V電源を作るものです。

電源モジュールは部品点数が少ないのに基板を起こすのが面倒で久しぶりにユニバーサル基板で作りました。

パネルとケースへの取り付けを考えて部品配置する必要があり結構気を使いました。

ノイズ, ミキサー

ノイズはホワイトノイズとピンクノイズを出力できます。

設計はほぼAnalog 2.0に則っていますが、ミキサーの外部入力と出力数を増やしています。

こちらは部品点数が多かったためにKiCADで基板を起こしました。

実はミキサーの動作確認が未だできておらず完成しているとは言えません。ミキサー動かなかったら困る。

抵抗は全部寝かせたけど、立たせたらよかったかな。

KiCADで描いた回路図は以下

3Dプリント製の筐体

パネルをアルミ板で作るとなると金額が高いし、DIYすると手間もかかるということで筐体はできる限り3Dプリントすることにしました。

ユーロラックのケースは既製品を買った方が良さそうですが、これもとりあえずは3Dプリントしてみることにしました。今はネジ穴が並んだだけのプレートです。

ユーロラックの寸法は以下のウェブサイトが参考になります。

EuroRack Dimensions
EuroRack Dimensions & Rack specifications

モジュールを組み合わせてみたのが次の写真です。

コネクタのピン配置が違う

今回作っているシンセサイザーはAnalog 2.0をユーロラックに収めるアレンジをしていますが、その中で気づいた点があります。

それは、「コネクタのピン配置がユーロラックのモジュールと似て非なるもの」ということです。

そのまま既製品のモジュールとつなげられるかと思ってたら、よくよくみたらピン配置が違う。気づかずにつないだらショートします。

よって今回作っている自作のモジュラーシンセでは、Analog 2.0とユーロラックのそれぞれに対応したコネクタを設けています。

それで、安くできたか?

うーん、どうでしょうね。買うよりは確かに安いが、度外視したはずの時間と手間はそれなりにかかる。

PCBを発注すると2,000円くらいはかかるので、回路をアレンジする気が無ければスイッチサイエンスで販売されている基板セットを買って筐体だけユーロラックとして自作した方が一番安いかも。

アナログシンセサイザー基板セット
自作向けのアナログシンセサイザーシステム Analog2.0 の最小構成を製作するのに必要な基板と、温度補償抵抗およびファームウェア書き込み済みの MIDI/CV コンバータ用マイクロプロセッサのセットです。書籍「達人と作るアナログシンセサイザー自作入門 改訂版2017」に掲載されているモジュール用の基板です。

次のモジュール

次はモジュールの動作確認のために、スピーカーとヘッドフォンアンプを搭載したアウトプット用のモジュールを作ろうとしています。

来年1月にできたらいいな。

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